【長期投資編】ETFを探す④~コモディティ~

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米国株式のETFを見てきてETFが株式市場の指数とかに連動した運用をしている投資商品っていうのは何となくわかってきた。
コモディティも金とか銀の現物の値動きに連動していると思うけど、どんなETFがあるの?そもそも、コモディティに投資をする意味ってあるの?

今回はコモディティ、とりわけコモディティの中でも中心的に組み込んでいる貴金属のETFについて紹介していきます。
それに加えて、私の身近なところでそもそもコモディティに投資をする意味が分からないという声もあったので、そのあたりも備忘録として書き残していきたいと思います。

この備忘録では、①コモディティのETFの種類、②コモディティに投資をする意味について説明していきます。

コモディティのETFの種類

金(ゴールド)のETF

GLD(SPDRゴールド・シェア)

金地金の価格(ロンドン貴金属市場協会の金価格)に連動するように運用するETF。
配当金はなく、経費率は0.40%
出来高もゴールドのETFとしては出来高が最も大きい。

IAU(iシェアーズ ゴールド・トラスト)

GLDと同じく金地金の価格(ロンドン貴金属市場協会の金価格)に連動するように運用するETF。
GLDよりも価格が安く、経費率も0.25%と低く、最初に買っていたETF。

GLDM(ゴールド・ミニシェアーズ)

上記ETFと同様、金地金の価格に連動するように運用するETF。経費率が0.18%と一番経費率が低い。コストの観点から私が買い付けているゴールドのETF。

銀(シルバー)のETF

SLV(iシェアーズ シルバー・トラスト)

銀地金価格に連動するように運用するETF。経費率は0.5%
ゴールドに比べるとボラティリティは高いので、状況によっては短期投資で買ってもいいかもしれません。

白金プラチナ

プラチナについては海外ETFがないので円建てでのETFとなりますが、主なものは次の2種類でしょうか。

純プラチナ上場投信(1541)

大阪取引所におけるプラチナ地金1グラムあたりの先物価格をベースとしている円建てのETF。経費率は0.55%

WT白金上場投信(1674)

ロンドン白金・パラジウム市場(LPPM)の規格にもとづくプラチナ地金の現物に投資し、白金の価格との連動を目指すETF。経費率は0.49%

コモディティに投資する意味

ここで取り上げているコモディティは貴金属のなかでも金・銀・プラチナに絞りましたが、貴金属以外にも石油・農業商品などもあります。(現時点では私には難しく、ポートフォリオにも加えていなかったため紹介から外してしまいましたが…)

それでは、貴金属を主としてコモディティに投資をする意味はあるのでしょうか?
私の友達の中には「株と異なり配当もないし、ここに投資する意味が分からん」と言っていたこともあるので、少し整理してみたいと思います。

①貴金属の実物資産としての価値

コモディティの代表格といえば金(ゴールド)

金(ゴールド)は何千年も世界で価値のあるものとして扱われてきています。
希少価値があるとされ続けているのも、金や銀といった貴金属は人工で創り出すことことができず、供給量が限られていることに理由があります。



希少価値が高いからこそ景気後退時にも価値あるものとして保有をしたがるもので、
世界の富豪が実物のゴールドを保有しているのにも明確な理由があるわけです。

シルバーやプラチナはゴールドと異なり装飾や貨幣以外の用途にも使用されるため、ゴールドよりも価値変動(ボラティリティ)は大きいですが、プラチナの取引やシルバーの取引では「ゴールドとプラチナの価格比率」や「ゴールドとシルバーの価格比率」に着目されているので、ゴールドと合わせて組み合わせておきたいところです。(ゴールド、プラチナ、シルバーについては別の備忘録にもう少しまとめていきたいと思います。)

②分散(多様化)投資のため

配当もないのに投資する意味があるのか?

私は、コモディティが景気後退時の保険的な位置づけとして投資をする意味があると考えています。
たとえば、金(ゴールド)と米国最大の市場であるS&P500との値動きの相関性を見てみましょう。

GLDとS&P500のチャート図と相関係数(使用ツール:trading view

↑の図はGLDとS&P500の値動きをパーセントで比較したものですが、直近のコロナショックによる暴落を比較してみるとGLDの下落はS&P500の下落より小さいことが分かります。
また、GLDの値動きは必ずしもS&P500と同じでもなく、逆相関となることもあります。
少し図を見ると、S&P500が上昇しているときにGLDが下がっていることもありますが、逆にS&P500が下げているときにGLDが上がっていることもあるのです。
コモディティにもいろいろな種類がありますが、株式と相関係数が異なる点に大きなポイントがあると考えています。

経済が後退してもコモディティが値上がりしポートフォリオ全体としてパフォーマンスをみたときに安定感を残してくれるのです。

もっとも、投資は自己責任なのでどのような投資スタイルにするのかも完全に自由です。
もし、投資する意義を配当に求めるとすれば、貴金属をメインとするコモディティに投資する価値は小さいのかもしれません。

あるいは、株式に集中投資をして比較的短期間で稼ぎを叩き出すという投資スタイルが好みというのであれば、あえてコモディティという保険をポートフォリオに加える必要もないのかもしれません。

もし、コモディティへの投資を迷っている方がおられたら、自分がどのような投資をしようとしているのか(したいのか)といった原点の部分について一度問いかけてみてください。

そのときに「景気後退時のリスクヘッジはコモディティがなくても問題ない」「配当がなく複利の恩恵を受けられないコモディティに投資の価値はない」といったようにコモディティへの投資の意義を見出せないのであれば、無理にコモディティを組み入れる必要はないと思います。

私は、「景気後退時への保険(リスクヘッジ)に加え、将来的にコモディティの価値は上がる」と考えてコモディティをポートフォリオに加えています。

金・銀・プラチナ…
専門的な知識はまた別の備忘録に残したいところです。
世界の富豪がなぜ実物資産を好んで保有しているのか…
資産形成のヒントは本物の富豪の行動にも色濃くあるように思います。

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