【短期投資編】トレンドに乗る短期投資戦略

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長期投資と短期投資とで分けて証券口座を開設して運用するのは長期投資で安定的な資産形成をしつつ、短期投資でパフォーマンスを上げるためと聞いたけど…
短期投資ってデイトレみたいなもの?逆に損しそうな気もするけど大丈夫かしら?

一口に株式投資といっても長期投資か短期投資かによって考え方が大きく異なります。
ここでは長期投資のポートフォリオを構成した”後”に実践している短期投資の戦略について備忘録を書き残しています。
まずは短期投資の入り口として、①そもそもここでいう短期投資の目的、②短期投資の戦略方針、③短期投資で使用するテクニカル分析の道具についてザックリと説明していきます。

短期投資の必要性

”短期”の意味合い

まず、ここでいう”短期”とは、上昇トレンドにのる期間によるので一概には言えませんが、数日から数か月程度の期間を想定しています。

なので、いわゆるデイトレではありません

パフォーマンスを上げる

長期投資では安全資産・リスク資産・コモディティと資産を分散し、経済危機にも強いポートフォリオを作りました。

しかし、コロナショックのような暴落時には一時的に長期投資資産の含み益の減少あるいは含み損を抱えることもあります。

コロナショック時のS&P500のチャート図(引用:TradingView)

長期投資だけでも大きな経済ショック後でもしばらくすると損失は回復しているというのはわかりますが…ここは投資のチャンスともいえそうです

短期投資は、このような暴落後の上昇や、そのほかに上昇トレンドに乗り始めた銘柄の波に乗って利益を叩き出すことによりパフォーマンスを上げるのが最大の目標です。

トレンドに乗る戦略~テクニカル分析で流れを見つける~

短期投資ではトレンドに乗って利益を得るのは分かったけど
どうやって上昇トレンドとか下降トレンドとか分かるの??

トレンドを探るうえで大切なのはテクニカル分析です。
テクニカル分析は、簡単に言えば「チャート」を見て価格を予測するものです。




チャートとはこの備忘録でも添付している左のような図のことです。


チャートは各証券会社やチャートツールから確認することができます。



私の場合、電車の中や簡単にチェックするときには楽天証券の「iSPEED」というスマホアプリを利用し、家の中にいるときにはパソコンからTrading Viewというチャートツールを使用しています(有料版もあるようですが、分析するだけなら無料版で十分ですので是非利用してみてください)。

短期投資では、チャート分析ツールを使って上昇トレンドに乗っている銘柄を見つけていきます。
分析にあたってはいくつかの道具の使い方を覚えていかなければならないので、ここではその道具について軽く触れていきます。(別の備忘録で各道具の使い方について掘り下げていく予定です)

短期投資の場合、買うタイミングも売るタイミングもテクニカル分析ツールで判断することになります。短期投資では感情での売買は極力排除し、規律を守ることがポイントとなります。

テクニカル分析に使う道具

今まで投資先の会社が好きだからということで株を買っていたけど、テクニカル分析ツールを使って売買を判断するのか…
ところで、テクニカル分析ツールってどんなものなんだろう?

さて、チャートには様々な指標があります。
テクニカル分析はこの様々な指標を見ながら、トレンドに乗ってるかどうかを判断していきますが、私が参考にしている指標はおおむね次の通りです。

出来高

引用:Trading View

出来高は取引の数量を示す指標です。
主に出来高を見て買い圧力が強いのか、売り圧力が強いのかを判断します。
上の図では良い例が見当たらないですが、突然出来高が飛び抜けていて株価が上昇している場合には、買い圧力が高くなり、株価がさらに上昇していく可能性もあるので要注目です。

移動平均線

移動平均線とは、一定期間の平均価格を線にしたものです。

引用元TradingView

上のチャート図の赤線青線緑線が一般的によく見かけられる移動平均線で、赤線は5日移動平均線青線が25日移動平均線緑線が75日移動平均線として設定されていることがほとんどです。

期間が長ければ長いほど値が平準化されているので振れ幅はより緩やかになります。

移動平均線では短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に突き抜けるゴールデンクロスと、上から下に突き抜けるデッドクロスと呼ばれるものがあります。
相場が上昇・下降へ転換する際に見られやすいサインの一つです。
ただ、ゴールデンクロスやデッドクロスがあったからと言って必ず価格が上昇・下落するわけではなく”あくまでそういう傾向がある”という点には留意しておく必要があります。

ゴールデンクロスの例(引用元TradingView)

上は5日移動平均線が25日移動平均線と75日移動平均線を下から上に突き抜けているゴールデンクロスの例ですが、突き抜けたときのチャートを見てみると価格が上がっているのが確認できます。
移動平均線のゴールデンクロスがあった場合、価格が上昇する傾向があるといわれています。
重要なポイントは突き抜ける際に突き抜ける線も突き抜けられる線も上向きであることがゴールデンクロスの条件なので、交差しているものすべてがゴールデンクロスと呼ばれているわけではありません。

デッドクロスの例(引用元TradingView)

デッドクロスの例も見てみましょう。
デッドクロスはゴールデンクロスの逆で、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に突き抜けてしまった場合をいい、これも突き抜ける線と突き抜けられる線が下向きとなっている場合にデッドクロスと呼ばれます
デッドクロスの場合には価格が下降していく傾向があります。

ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドとは、”移動平均線と標準偏差で構成されており、移動平均を表す線とその上下に値動きの幅を示す線を加えた指標で、「価格の大半がこの帯(バンド)の中に収まる」という統計学を応用したテクニカル指標のひとつ”(マネックス証券の説明より抜粋)と呼ばれるものです。

難しいように聞こえますが、簡単な認識としては「基本的にはボリンジャーバンドの幅の中で価格が変動する」ということです。

具体的に見てみましょう。

引用元:TradingView

上の図だと2本の緑線真ん中に赤線がありますが、これがボリンジャーバンドです。
赤線をミドルバンド、上の緑線をアッパーバンド、下の緑線をローバンドと呼ばれます。

楽天証券やSBIなどほとんどのチャートではアッパーバンド・ローバンドが2本ずつありますが私が見ているのは、”期間20日の乖離率±2σ”です。

+2σのアッパーバンドを突き破ったときに一部を利確するという出口戦略として活用します。
詳しくは別の備忘録に書き残しますが、±2σのバンド内にある確率は約95%ですので、そのバンドから価格が外れることは普通の状態ではないと考えられるからです。

上の図でも一度バンドを突き抜けた後はすぐにバンド内に戻っているのが分かりますね。
必ず価格が下がるというわけではありませんが、出口戦略のルールとしては大切な指標です。

MACD(マックディー)

MACDは移動平均線を発展させて使用されるテクニカル分析ツールです。
上昇・下降のトレンド転換のサインとして活用します。

先ほどの移動平均線と同じような使い方となりますが、MACDの方が現在の値動きへの反応が早いのが特徴なので、より早くトレンドを掴むことができます。

引用元:TradingView

チャートの下にある二本の線がMACDと呼ばれるもので、青線をMACD線、赤線をシグナル線といいます。
MACDでのトレンド転換も移動平均線と同じようにゴールデンクロス・デッドクロスが発生しているかにより確認します。
上の図では少しわかりにくいですが、MACDがデッドクロスした後は価格が下落し、ゴールデンクロスを形成してから価格が上昇しています。

RSI

RSI(アール・エス・アイ)は、その銘柄が買われすぎか売られすぎかどうかを判断するために使用されるテクニカル分析ツールです。

引用元:TradingView

チャートは絶対的なものではなくアート

いわゆる会社の財務や会社の情報をファンダメンタルズといいますが、ファンダメンタル分析は既に世間に知れていることから他と優劣をつけることは難しいといえます。(とはいえ、設立3年程度の比較的新しい会社についてはテクニカル分析するためのデータが不十分のためファンダメンタルでも戦うことができる印象でしょうか)

ファンダメンタル分析に対し、チャートから読み解くテクニカル分析は人により異なるため上昇トレンドをどのように見つけ出すかはまさに”アート”といえるのです。

逆に、チャートがアートといえるがゆえに私たちが株式投資で勝つことができる可能性が見出せるといえるのです。

今回はざっと短期投資戦略の基本について書き残しました。
短期投資のポイントをまとめると、

①上昇トレンドに乗ってパフォーマンスを上げる
②感情は排除し、テクニカル分析で上昇トレンドを見つける
③テクニカル分析はアート(絶対的なものではない)

具体的なテクニカル分析ツールの使い方については別の備忘録に書き残していきます。

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